Sourire✧

「ふぅ…、何とかのりきった〜」

「瑠海、お疲れ様。」

帰り道、人が少なかったから本性で話す。

「夏音は、結局何か部活入るの?」

「ううん〜、私はバイトする。」

「いいな〜、バイト」

「瑠海は、バイトより凄いのしてるしょ。」

「まぁ、そうなんだけどね。」

でも……、だって、憧れてたんだもん。

友達と同じお店でバイトして、楽しんだりとか。

そっちの方が、青春。

「瑠海は、生徒会役員になったけど、行事は参加するの?」

「うーん、分かんない。」

行事は好きだけど、クラスの人と関わらなきゃいけないし。

「じゃあ、バイバイ」

「うん、バイバイ」

とても立派な桜の木が植えられていて、すぐにシェアハウスの庭

だと分かる。

ちょうど、空がピンク色に染まっていてスマホを構える。

淡いピンクの桜の花びらとピンクの空。

まるで、風景画のよう。

「瑠海ちゃ〜ん、撮影場所に行くよ〜!」

シェアハウスの前にいる私のマネージャーの清水さんに呼ばれる。

すっかり、撮影だって事忘れていた。

走って清水さんの車に乗り、撮影場所のスタジオへと向かう。