「瑠海(るあ)、ネクタイ変な事になってるけどいいの?」

朝食を食べながら言う幼なじみの颯音(はやと)。

「え、ほんと?」

「うん」

私は、桜乃 瑠海(さくらの るあ)。

数日前から高校生。

私の通っている"桜宮学園"でネクタイかリボンか選べて。

ネクタイに憧れていて、私はネクタイを選んだ。

「うーん、上手くしばれない…」

「しばってあげよっか?」

「うん」

正直お願いはしたくなかったけど、

時間もないししばって貰うことにした。

颯音は少ししゃがんで、私のネクタイを結びなおす。

その姿を見て、『小学生の時までは私の方が身長高かったのにな〜』

て、思う。

「はい、出来た」

「ありがと」

結びなおすと、またご飯を食べ始める。

私はかというと、学校に行く準備をしている。

「瑠海、夏だと暑くない?」

私が、目にかかるほど前髪長いウィッグをつけるのを見て言う。

「頑張る!」

中学の時に色々あって、人と関わらないため。

他にも、目が変に見える眼鏡をかけていたり、学校では暗い演技を

している。まだその光景に、颯音は違和感があるみたい。