「さっきはごめん」 きみは知っている。 僕がどれだけ、きみのごめんに弱いかを。 弱くて当然だと。ぺろっと舌を出して、無邪気に両手を合わせる姿に思い知らされる。 勝てるはずがないと。 きみの狡さは、それを知っていながら、惜しみなく、躊躇いも遠慮もなく、かわいさを乱用していることだと思う。 ごめんと言いながら、ごめんとは1ミリも思っていない。 そんなところも含めてかわいいと思ってしまう僕が、一番罪ぶかいのかもしれないけど。