狼姫と野獣

誰もが頬を染める王子様が実は腹黒くてシスコンだなんて、誰が想像できるかな。


「え、倖真シスコン悪化してね?」

「涼風はかわいいから仕方ない」

「いや、ドヤ顔で言われても……」


素の倖真に刹那でさえたじたじ。

ビックリして目が泳いじゃってる。


「そんなんで今後涼ちゃんに彼氏とかできたらどうすんの?」

「は?涼ちゃんとか気安く呼ぶなよ。
彼氏なんて連れてこようもんならこの世から抹殺する」

「目がマジなんだけど、こっち見んな」


恐れ(おのの)いて私の制服をぎゅっと握る刹那。

双子の弟が珍しくかわいいことしてる。

ふふ、帰ったらお母さんに今日の刹那のこと言っちゃおう。

それから車は20分ほど走って、一棟の高層マンションにたどり着いた。