高校2年生になった私たちは学内でちょっとした人気者だった。

『狼姫』というあだ名はすっかり定着していて今日も新入生が私のいる教室を覗きに来る。


「うわ、今日も来てるよ永遠ちゃん」

「すごいよね、美形揃いの荒瀬家のおかげでウチの高校の倍率跳ね上がったって話だし」


でも中学と違って高校のクラスのみんなはこれまでと変わらず接してくれた。

だけど気になって私のこと嫌じゃない?って聞いたら『だって永遠はいい子じゃん』って不安を一蹴してくれた。

先入観は人をおかしくさせるんだな。

中学校の頃は最初からヤクザの娘って扱いだったから大変だった。


「私は刹那と倖真(こうま)の方がすごいと思うけど」


数名の男子が私がいる教室に集まってるけど、もっと人気なのはあの二人だ。

ちなみに倖真は私の従兄弟(いとこ)

お父さんの弟、颯馬(そうま)おじさんの息子だ。