狼姫と野獣

ちょっと見直した私は連絡先を交換してその後すぐ別れた。

ついでに快の連絡先ももらっちゃった。

しかも今日、快が拠点にいるらしいから呼んでくれるらしい。

……ドキドキする。快に会うのは去年の12月ぶりだ。





「永遠、隆二さんに言われて来た〜」



そうして迎えた放課後、校門に堂々とバイクが止まっていた。

今度は隆二さんじゃなくて私の苦手な桐谷だった。

……桐谷、会ってない間にまた背が伸びたし大人っぽくなったな。

性格がアレじゃなければかっこいいのに。



「なに、俺の顔じっと見て。惚れないでよ、快に怒られる」

「まったくそんな気はないのでご心配なく。
あとそれから、車で行くから来なくてよかったのに」

「えぇー、せっかく来たのに……待って、今日の迎え誰!?」

「知らない」

「力さんだったら中まで連れてきて!一生のお願い!」

「桐谷の一生のお願いそんなことでいいの?」

「ばっか!レジェンドだって言ってんじゃん!すごいんだってあの人は!」

「分かった、分かったから」



桐谷は「絶対だからな!」って言いながらバイクで走り去っていった。

下校中の生徒は何事かと私を見ている。

もう、せっかくまともな高校生活送れると思ったのに。