「もう、気配消して近づかないで!」

「はぁ?勝手に驚いたの永遠だろーが」

「……で、なにか用?」

「桐谷に接触したから大丈夫かなと思って」

「見てたの?」

「だってあの金髪は目立つし。てかなんか言われた?」

「別に……」

「あっそ、ならいいや」



大嘘をついたら完全にバレてたけど刹那は何も言わなかった。



「快、高校行くんだって」

「……は?」

「桐谷の父親が超金持ちでさ、そのコネで高校行けるらしいよ」

「ちなみに、俺たちの志望校のすぐ近くだって。
ウケるね、永遠のことあんなに嫌いとか憎いとか言っておきながら近づいてくるなんて」



刹那は「ま、受かればの話だけど」と言って私から離れていった。

……桐谷、もしかしてさっきそれを知ってて私に話しかけたの?

何を考えてるか分からない男だけど、あの時のあの目は本気だった。

だからって快と仲良くなれるとは思えない。

ただ、あの悲しい目は放っておけないと思った。