狼姫と野獣




「てか、永遠はどんな人がタイプ?」

「え?」



放課後、突然聞いてきた唯。

会話に脈絡のない感じ、いつもビックリしちゃうな。



「うーん、考えたこともなかった……」

「まじぃ?恋はしなきゃ、乙女じゃん」

「……恋?」

「つって、あたしも彼氏いたことないんだけど」



「なはは」と独特な笑い方をする唯は通学用のリュックを背負った。



「カイくんはどーよ?」

「えっ」



また脈絡なく聞いてくる唯。

私は驚いて露骨に顔を強ばらせてしまった。



「最近一緒にいるくない?」

「刹那と仲がいいから、私とも仲良くしてくれてるだけだよ」

「そーなの?まあ進展あったら教え──うわっ!」



私の方を見ながらドアを開けて進んだ唯は、ちょうどドアの前にいた人とぶつかって尻もちをついた。



「唯、大丈夫!?」

「なっはは、体幹強すぎウケる」

「え……あっ、快……」



私がいる所から見えなかったけど、ドアの前にいたのは快だった。

……うわ、今の話聞かれたかな。