「永遠は美人になったね。彼氏いる?」

「おいこら、永遠に粉かけんな」



だけど桐谷が距離を縮めてきたから刹那が前に出た。

怒るとお父さんみが増すんだよね。

……って、2人を観察してる場合じゃない。

助けてくれた人に上着を返さなきゃ。

その人がいる方を見たら、不自然に目を逸らされた。



「永遠、こいつ顔はいいけど絶対やめろよ。俺よりたぶんクズ……って、何見てんの?」



刹那が首を傾げながらその人の方に歩いていって、じーっと顔を覗き込む。

長い時間かけて観察した刹那は、突然ビクッと背筋を伸ばした。






「お前………もしかして快?」

「え……」



そんなはずない。

でも、確かに『快』と言った。