狼姫と野獣

そこから会話せず淡々と支度して、刹那と一緒に朝ごはんを食べてから学校に向かった。

中学校は快がいなくなったという事実以外何も変わらない。

変わらないからつらくて苦しい。

早く卒業したいなぁ、ここ最近ずっとそう考えながら日々を過ごしてる。

ネガティブなことを考えたせいもあって、その日はとても長く感じた。








「永遠、おかえり」

「え……お兄ちゃん」



学校から帰ったら、なんとお兄ちゃんがまだ家にいた。

ソファに座って、膝にノワールを乗せてカップを片手に優雅にコーヒーを飲んでいる。



「ふふ、いい休日になった?」

「ああ、ありがとう永遠。久々にゆっくり休めた」



空いた手でノワールをなでるお兄ちゃんは、ここに来た時よりやわらかい表情になってる。

リラックスできたみたいでよかった。