笑いながら近づいてくるその人は、私の前に片手を差し出し笑顔で握手を求めてきた。
「オレ、桐谷燈。13歳で黒帝の下っ端の下っ端ってところ。よろしく」
でも、胡散臭くて愛想笑いだってすぐ分かる。
私が荒瀬組の人間に慣れていなかったら、美少年に微笑まれて照れていたかもしれないけど。
「なんで君によろしくって言われなきゃいけないの?」
「永遠と仲良くなりたいと思って」
「私を通して刹那と仲良くなりたい、の間違いじゃなくて?」
「あは、せーかい。刹那引き入れたら幹部候補にしてくれるって言うから必死なの」
「そういう手の内は明かさない方がいいよ」
こういう相手にはまともに相手をしちゃいけないって分かってるから冷たく言い返す。
すると桐谷と名乗ったその子は目を丸くして手を引っ込めた。
「……永遠ってさ、ヤクザの娘なのにフツーなんだね」
「普通って悪いこと?」
「悪くないけどおもしろくない。
ま、永遠は顔がいいからつまんなくても大丈夫じゃない?」
私という人間を根本的に否定する言葉。
……きっとこの人、頭がいいんだろうな。
どうやったら人が怒るか分かって言ってるんだ。
ほんと、暴走族なんてロクでもない。
「オレ、桐谷燈。13歳で黒帝の下っ端の下っ端ってところ。よろしく」
でも、胡散臭くて愛想笑いだってすぐ分かる。
私が荒瀬組の人間に慣れていなかったら、美少年に微笑まれて照れていたかもしれないけど。
「なんで君によろしくって言われなきゃいけないの?」
「永遠と仲良くなりたいと思って」
「私を通して刹那と仲良くなりたい、の間違いじゃなくて?」
「あは、せーかい。刹那引き入れたら幹部候補にしてくれるって言うから必死なの」
「そういう手の内は明かさない方がいいよ」
こういう相手にはまともに相手をしちゃいけないって分かってるから冷たく言い返す。
すると桐谷と名乗ったその子は目を丸くして手を引っ込めた。
「……永遠ってさ、ヤクザの娘なのにフツーなんだね」
「普通って悪いこと?」
「悪くないけどおもしろくない。
ま、永遠は顔がいいからつまんなくても大丈夫じゃない?」
私という人間を根本的に否定する言葉。
……きっとこの人、頭がいいんだろうな。
どうやったら人が怒るか分かって言ってるんだ。
ほんと、暴走族なんてロクでもない。