それから1週間が過ぎて、荒瀬は半グレによる脅威はなくなったと判断した。

西雲会と協力したおかげで根こそぎ一網打尽にできたらしい。

だけど影があるところに闇は生まれる。

ヤクザの世界に平和なんてないから、いつ同じような組織が生まれるか時間の問題だ。

そんなことをノワールを撫でながらリビングのソファで考える。

すると、廊下から話し声がした。

気になってノワールを抱えながらそっちにいくとお父さんと刹那が。



「え!?じゃあ……」

「ああ、そういうことだ」

「こうしちゃいられねえ!俺ちょっと出かけてくる!」

「浮かれて事故んなよ」

「俺がそんなヘマするかっての!」



刹那は驚きと興奮が入り交じった顔で玄関に向かって走る。

寒いのに元気だな、呑気にそう思ってたらお父さんの顔がこっちに向いていたのに気がついた。



「永遠、少し話そう」



珍しくお父さんは余裕が無い。

……もしかして快と密会してたのバレた?

確かにあれは軽率だった。怒られるのも仕方ない。

お父さんの後をついてリビングに移動して、ダイニングテーブルに向かい合って座った。

不安が伝わった膝の上のノワールは耳を伏せて警戒している。