狼姫と野獣

「力さん、寒いのに大丈夫?」

「大丈夫なわけねーだろ。そろそろ交代」



だけど組は警戒態勢。外で見張りをしている力さんと出くわしてしまった。

……力さん、見逃してくれるかな。



「快に会いに来たんだろ。行っておいで」

「え……なんで知ってるの?」

「いいから、他の連中に見つかる前にほら」



背中を押し出されて門の外へ。

するとすぐそこに快の姿があった。

手元のスマホに照らし出される快の顔は真っ赤。

こんな寒い日にわざわざ来てもらって申し訳ない。



「快、ごめん」

「何が?」

「明日、会えない」

「そうだろうと思って今日来た」



だけど優しく笑ってくれるから罪悪感が洗い流される。



「力さんから事の顛末は聞いたから。そんな顔すんなよ」

「うん、でも楽しみにしてたのに……ごめん」

「大丈夫、落ち着いたらまた会おう」



微笑みは少し寂しげな笑みに変わる。

この恋は我慢してばかり。分かっているけどつらいなぁ。

すると快は肩からかけていたボディーバックを開けてその中から何かを取りだし、私に差し出した。