狼姫と野獣

状況を把握して待ってと口に出そうとしたけど遅かった。

唇が合わさった感触に驚いて目を閉じてしまう。



「永遠、こっち見て」



だけど快の吐息混じりの声には逆らえなくて。

目を開けて見たことない快の表情に息を飲んだ。

熱と獰猛さを含んだ目が私を捉えて離さない。

……食べられる。本能がそう警告する。



「……好き」

「っ……」



甘い言葉と優しいキスでおかしくなりそう。

きゅうっと下腹部が熱を帯びて疼く。

なにこれ、こんな感覚知らない。


雰囲気に飲まれて思考が冴えない。

すがり付くようにキスを求めながらぼんやり思った。

理性なんてクラクラするくらいの幸福感にすぐ負けちゃうんだって。

抵抗しないといけないのにできないんだ。

抱きしめてキスをして、会えなかった期間を埋めるように求め合った。



「……んんっ、快……」

「散々煽ったくせにダメ?」

「煽ったワケじゃ……」

「かわいい」



だけど快が服の中に手を入れてきたからさすがに抵抗した。

快は経験豊富だから関係ないかもしれないけど、私はまだ心の準備ができてない。

両思いだけど、付き合ってるわけじゃないし……。

うまい切り返しが思いつかなくて顔を逸らした先に置いてあった自分のスマホから通知音が鳴った。

手を伸ばして確認すると1件の不在着信が。

うそ、気が付かずに快とイチャイチャしてたってこと?

……恥ずかしい。