狼姫と野獣

快が作ってくれたオムライスは今日もおいしかった。

今日はケチャップじゃなくてデミグラスソース。

しかも上にハンバーグが乗ってる。



「おいしい!ハンバーグとオムライス一緒なんて贅沢してる気分」

「そりゃどうも」



快は照れたようにはにかむ。

安心しきった笑顔、久々に見た。

ここ数年、『野獣』の一面しか見てなかったから新鮮で目のやり場に困る。



「これからは気兼ねなく快のご飯食べられるって思うと幸せ」



誤魔化すように別の言葉を発すると快は目を見開いた。



「そういうずるいこと、誰の前でも言ってんの?」

「ずるい?……もしかしてドキッとした?」

「煽んなよ、その気にさせてえの?」



いたずらをしたら返り討ちに遭った。

そんな色気のある表情、私知らない。

直視できなくて視線を下に向ける。



「ごめん、今の発言忘れて。そういうつもりで招いたわけじゃねえから」

「わ、分かってるよ」



オトナな快を知らなくてびっくりしちゃった。

何食わぬ顔で受け答えするつもりが動揺してるのバレバレ。

快だって急にそういう態度取るのずるいと思うけど。