琥珀とはその後も連絡を取り合っていろいろな場所に遊びに行った。

男兄弟だからお姉ちゃんに憧れていた私にとっては琥珀といる時間は新鮮で楽しかった。



「……永遠は好きな人居るんだっけ?」



今日はふたりきりで遊ぶ日。

カフェでまったり過ごしていると琥珀が話しかけてきた。



「うん、中学生の時からずっと好きなんだ」

「会いに行かないの?」

「会いに行けないんだ。それに今は不安定な情勢だから何が起こるか……」

「会いに行きなよ」



会いに行けないって言ったのに、琥珀は会いに行けと急かす。

真意がわからなくて顔を上げたら陽の光に反射して輝く琥珀色の瞳と視線が合わさった。



「連中は狼姫と野獣より、私に興味津々みたいだから」

「……ほんと?」

「うん、保証する」



保証するって、その情報に信ぴょう性あるの?

今更だけど琥珀って何者なんだろう。



「琥珀っていったい何者?」

「秘密」



問いかけに琥珀は妖しく微笑む。

ううっ、美人ってずるい。

そんな顔されたら何も言えなくなっちゃう。



「この情報は梟からのものだから安心して。
単純に考えて、狙うなら若頭の女の方が利用価値があるし」

「怖くないの?」

「怖かったら絆と付き合ってないよ」



琥珀は美人で強くてかっこいい。

私の憧れを体現したかのような人。

言い方は悪いけど、そんな人に焚き付けられたら逢いに行くしかなくなる。

その日、私は快に連絡して会いに行くことを決めた。