狼姫と野獣

心のどこかで求めていた言葉。

待ちわびていたはずなのに同時に焦りが生じた。



「今すぐがいい」

「……守りきれる保証がないから今はダメだ。
親父さんにも言われたろ?」

「だってその間に快の気が変わるかもしれない」

「変わらねえよ」

「だからって全部解決したらっていつ?解決の糸口も掴めてないのに。
やっと快と向かい合えたのに、まだ待たなきゃいけないの?ねえ、快──」



顔を上げたその時、快はぐっと顔を近づけてきた。

頬に手を添えられて唇に柔らかい感触がした。

……あれ、キスされた?

口封じみたいなキスなのに、自覚すると顔が急激に熱くなる。



「……イヤ?」

「や、じゃない……」



必死に絞り出した声がそれだけ。

視線を泳がせて下を向くと、指先で私の顔を持ち上げてもう一度キスをしてきた。

今度は触れるだけじゃない深いキス。

初めて異性とキスをした私にとっては刺激が強すぎた。