狼姫と野獣

まずい、刹那にバレる。

私はとっさに画面に表示された通話拒否のマークをタップして刹那の方を見た。

でも「……まだ怒ってんの?」と全然勘づいていない。

子犬みたいな顔して可哀想だけどバレてなくてよかった。



「怒ってないよ。そんなことよりそろそろお母さん迎えに行ったら?
ベロベロのお父さんに絡まれて大変だろうし」



とりあえず快と電話したいから出ていってほしい。

ちょうどいいから本家で飲んでる両親を迎えに行ってもらおう。



「えー、ヤダ。酔った父さん普段の100倍だるいもん」

「私が行ってもどうせ絡まれるから刹那頑張って」



刹那は私を怒らせた責任から「……しょーがねーなー」と足を引きずって嫌そうに家を出た。

玄関の扉がバタンと閉まり、私は速攻快にかけ直した。