狼姫と野獣




その日から私と快はどんどん仲良くなっていった。

一緒にいる時間が楽しくて、快と話せる時間が幸せだった。

もしかして、好きなのかも。そう思った時もう手遅れだって気がついた。

好きになればなるほど、恋心は膨れていくばかり。



この気持ちを伝えようか迷っているうちに、快の家に行くことに決まった。



「足元気をつけて」

「うん」



学校から歩いて10分の都営住宅の1階。そこが快の家らしい。



「晴、帰ったよ」



快が玄関で声をかけると、奥の方から物音がした。

快の妹ちゃんってどんな子なんだろう。

緊張してドキドキし始めたその時──車椅子の女の子が出てきた。