狼姫と野獣

「……久しぶり」

「う、うん久しぶり」



遠目で唯たちを観察してたら突然の快が隣に来た。

一言声をかけられただけで顔が熱い。

快は涼しい顔してるのに。

私だけ意識しちゃって恥ずかしい。



「元気だった?」

「元気だよ、この通り……」



笑いかけたら、快の大きな手が突然の首元に触れる。

びっくりして肩が跳ねる。すると快の瞳が揺れた。



「髪、ごめんな」

「えっと……」



どうしよう、電話と直接会うのじゃ全然緊張感が違う。

ごめんって言われてるのに気の利く返答が思いつかない。



「永遠〜、ケーキどうする?快とお話したいならそのままでいいけど」



その時、店の奥にいた唯の声が響く。



「……快と話したいから3人でどうぞ!
用意してもらってたのにごめんなさい」

「なっはは、素直でかわいい」



考えるよりも早く口が動いた。

頭を下げると唯の愉快な笑い声が聞こえてきた。

せっかく準備してもらったのに迷惑じゃないかな?

顔を上げると「じゃあ3人で力さん語ろうぜ!」なんて桐谷の元気な声が聞こえたから拍子抜けした。