狼姫と野獣

「俺母さん迎えに行ってこようかな?ほらもう日が暮れるし」


痛い目見た刹那はこれ以上お父さんと関わりたくないみたいでそそくさ玄関に向かう。

迎えに行くらしいけど運転できないから誰かヒマそうな人探して声かけるつもりかな。


「最近どうだ」



刹那の動向を想像してぼーっとしてたらお父さんが首をかしげる。

えっと、快のことかな。



「この前電話したよ、私に会いたいって言ってくれた」

「そうか……」



お父さんは微笑んで話を聞いてくれる。

とてもじゃないけどさっき刹那にコブラツイストをかけた人と同一人物に見えない。

クスクス笑ってるとお父さんは「何がおかしい?」とニヤリと笑う。

それにしてもまさか、お父さんが私の恋愛応援してくれるなんて。



「少し進展があったならよかった。
けど、会わせられなくてごめんな」

「なんでお父さんが謝るの?
私、今すっごく楽しいから大丈夫だよ」

「永遠には我慢させてばかりなのに俺にはいつだって笑いかけてくれる。
まっすぐで純粋で……本当にいい子に育ったな」



お父さんは私の頭をなでながら褒めてくれる。

昨日から嬉しいこと続きで「んふふ」と変な声が出た。