狼姫と野獣

「お、おかえり父さん。熱海楽しかった?」



お母さんとお忍びで熱海旅行に行ったお父さん。

お土産片手に帰ってきたけど刹那が余計なこと言うから変なスイッチが入ったみたい。



「楽しんだに決まってんだろうが。
けど壱華が涼のやつにお土産渡したいなんていうから俺だけ一人帰ってきたんだよ。
俺より友達優先しやがった」

「いや心せまっ……」

「あ?」

「イイエナンデモナイデス」



ヤキモチも相まって機嫌悪め。

そんなお父さんを刺激する刹那はいい加減学習してほしい。

それじゃまるで構ってくださいって言ってるようなもんじゃない?



「長話になるだろうからせめて子どもたちにお土産を、と思ったんだ。
それなのにかわいい息子に親父に似てたまるかなんて言われたら傷心しちまうだろうが」

「うげ、かわいい息子とか面と向かって言わないでよ鳥肌立つ」



煽りに煽った刹那。お父さんはピク、額に青筋を立てて反応した。

ええ、バカなの刹那。



「刹那、そんなに俺に抱きしめられてえか。仕方ねえな」



案の定満面の笑みで刹那に近づいてきたお父さん。

抱きしめると言いつつ関節技キメる気満々。

……お父さんもなんで刹那相手だと精神年齢下がるんだろう。

いつもはカッコイイのに。