狼姫と野獣

「つまりしばらく永遠との接触を避けて欲しいってことか」



長い沈黙の後呟いた快は少し悲しげだ。

あれ、永遠のことはお前に関係ないんじゃなかったけ?



「なんか雰囲気変わったね、快」

「お前に頭突きされて頭のネジ飛んだかもな」

「あは、あれ俺も痛かった。あの後たんこぶできたもん」



いつの間にか普通に笑えるようになってるし。

懐かしいなその爽やかな笑顔、中学の時思い出すわ。

さてはこの前のタイマン以降、気持ちの整理がついたな?



「直接会わないでほしいってだけで連絡取るなとは言ってねえから。
そこ勘違いすんなよ」

「分かってる、けどとりあえず謝りたいから近々電話してもいいか?」

「別に俺に許可取らなくていいって。
てか快、やっぱり永遠のこと好きなんだ」

「ああ、好きだ。中学の時一目惚れしてからずっと好きだ」



いじわるしたつもりが快は笑顔で告白してきた。

面食らって俺の顔が赤くなる。

いや俺が赤面してどうすんだ。



「な?びっくりしたろ!?
ウチの快ちゃんここ最近素直なんだよ」

「快ぃ、それ永遠に直接言ってやれよ……」



思ってた以上に吹っ切れてて驚いた。



「あんなことしておいて会わせる顔がない」

「へえ、いいんだ。うかうかしてると荒瀬組にはいい男いっぱいいるから盗られんぞ〜?」

「不安の煽り方が桐谷並みだな。性格悪いとこにじみ出てる」

「なんで俺巻き込むんだよ!」

「あっはは、俺は快の遠慮ないところ好き」



なぁんだ、快も前を向こうとしてんだ。

安心して大笑い。ひとしきり笑ってから立ち上がって「じゃあな」ときびすを返す。

俺が心配する必要なかったな。