狼姫と野獣

組の人が迎えに来てくれたのはそれから15分後。

その頃には自然に笑えるくらい精神面は回復していた。

だけど車に揺られていたら悲しくなってじわ、と涙が出てきてしまった。

今日の運転手が力さんじゃなくてよかった。

生まれた時からお世話になってるあの人はきっと異変に気がついてた。



「永遠、待ってたよ」



放心状態で目的地に着いた。すると外からドアを開けられ誰かがひょっこり顔を見せた。



「倖真……ごめん急に。今日、泊まらせてほしくて」

「うん、おいでよ」



ドアを開けてくれたのはいとこの倖真。

不自然に切られたこの髪じゃさすがに実家に戻れない。

だからダメ元でさっきスマホからお願いしたらすんなり了承してくれた。



「母さん、永遠来たよ」

「はいはーい、永遠が泊まりに来るなんて久しぶりじゃん!相変わらずかわいい〜!」



家に入ったら倖真のお母さん・(りょう)さんが熱烈な歓迎をしてくれた。

涼さんは明朗快活な美人で私の憧れ。

挨拶代わりにぎゅっと抱きしめられてなぜだか涙がこぼれそうになった。



「も〜、どんどん美人になっちゃって。
なんかだんだん壱華に似てきた?
ロングだから余計若い時の壱華にそっくり……えっ!?」


満面の笑みだった涼さんは、ざっくり切られた髪を見て表情を変えた。