狼姫と野獣

「は!?快、何やってんだよ!」



ガチャ、ドアが開く音とともに桐谷の声が響く。

快はハサミを元あった場所に置いて桐谷を睨みつけた。



「桐谷、二度とこいつ入れるなって言っただろうが!」

「違うって、俺が呼んだんだ!
見ろ、ケガしてんだよ。百鬼の元総長に襲われてたから手当てしてあげようと思って……」



桐谷は間に入って膝に貼られたガーゼと頬の傷を見せる。

快はハッとして目を見開く。

私がケガしてること、今気がついたみたい。



「永遠がケガしたのは俺らの責任だ。
それなのになんでお前が傷つけてんだよ!」

「知るかよ、そいつのことなんて」

「……は?おい、さすがに今の発言は取り消せよ」

「うるせえ」



私のせいで快が苦しい思いをして、私のせいでこうやって仲違いしてしまう。

だったら私の存在なんて……いらない。