狼姫と野獣

「その寝癖どうにかしてから来い」

「そんなひどい?写真撮って」


だけど刹那がこんなことでへこたれるわけが無い。

全く動じずヤクザの組長に写真撮らせるなんて本当に大物だと思う。

お父さんに撮ってもらった寝癖を笑いながら洗面所に向かう刹那。

しばらくしたら戻ってきて「ちょっと俺の部屋に来て」とリビングの入口から手招きされた。


「快と会ったらしいじゃん」


部屋に入ったあと、単刀直入にそう言われた。

うーん、なんとなくそう言われる気がしたけど……なんでみんな私の情報知ってるの?


「荒瀬の人間、怖っ……」

「いや、別に盗み聞きしなわけじゃねーから!
力さんが桐谷に聞いたって。あの二人繋がってんだよ」

「……そうなんだ、唯が嫉妬するなぁ」

「なんで唯ちゃん?てかやっぱ浮かれてんね」

「そう?」


浮かれてるというか悲観的じゃなくなったというか。

確かに快に出会ってプラス思考なのは自分でも分かる。