私が快と会ってからしばらくして、お父さんは本家の組員を半数をクビにした。

私は不思議になってお父さんに尋ねた。


「どうしてクビにしちゃったの?」


いつも余裕のある笑みで私を見てくれるはずのお父さん。

だけど今日は少し怒ってた。


「本家勤めが地方に行くだけだ。どうせ年ばっかり食ったじじいばかりだからいい機会だ」

「そう、なの?」

「……あいつらは永遠がいなくなったのに気がつかなかった。
4時間だぞ、4時間。信じられねえ」


え、なんでお父さんがそれを知ってるの?

お母さんと旅行中でプチ家出したの気がつくはずないのに。


「な、なんでお父さんがそれを」

「本家の防犯カメラ遠隔でスマホから見れるようにしてんだ。
壱華が俺に内緒で抜け出しても分かるようにな」


……知らなかった。そんなハイテク機能で監視されてたなんて。

でもお父さんは私に対して怒ってないみたい。

愛しそうにお母さんを見つめる瞳がそれを物語ってる。