「う〜、明日は地獄だ」

「……それでも食べるんだ」


考えたらキャパオーバーになりそう。

だからメソメソしてる桐谷の話し相手に専念することにした。


「作ってくれるだけありがたいと思え」

「ごもっともです……」


それにしても快はまるでお母さんみたい。

まさか天邪鬼な桐谷を懐柔できるとは思わなかったけど。

割といいコンビなのかも。


「ったく、副総長がなんてザマだ。それじゃ他の奴らに示しがつかない。
いいからさっさと食え」

「別にピーマン食えねえくらいで幻滅しねえって〜」

「そうかよ、永遠もそれ食ったら家まで送るから」

「うん、ありがと……ん?」


あれ、今永遠って呼んだ?

久しぶりにちゃんと名前を呼んでくれた気がする。

少し打ち解けた気がして嬉しい。


「永遠、なーにニコニコしてんの?」

「ふふ、なんでもない」

「ふーん」


思わず笑ったら桐谷もニヤニヤ。

そんな私たちを見て「いいから食え」と快は眉間にしわを寄せる。

言葉は少し乱暴だけど怖くはない。

この空間にいられるのが嬉しい。でもオムライス食べたらすぐお別れか。

少しためらったけど、快が作ってくれたほかほかのオムライスが思ったよりおいしくてペロリと平らげてしまった。