狼姫と野獣

「おい、できたぞ」


ふと、快の声が後ろから聞こえた。

すると桐谷は立ち上がって驚異的なスピードでダイニングテーブルに走る。

普段と違う子どもみたいな反応にまた笑えた。


「ピーマン入れてねえだろうな!?」

「さあな、食って確かめろ」


桐谷は「いただきます」とちゃんと挨拶をしてスプーンを手に取った。

……意外、ちゃんといただきます言うんだ。


「うまっ!ほら永遠も早く食えよ。はいケチャップ」

「あ、ありがと。ほんとにおいしそう、いただいます」


私も桐谷の隣に座ってひと口ぱくり。


「おいしい……!」


びっくりして声が出た。

自分で言うのもなんだけど、いいモノ食べさせてもらってるから舌が肥えてると思ってる。

それでも快の料理は特においしく感じた。

意外性ってスパイスが効いてるのかも知れないけど。