狼姫と野獣

「え、めっずらしい!いい子ちゃんの永遠が!?え、待って家出ってことは親には言ってない?
もしかして荒瀬組にカチコミされる!?」

「今日は本家には家族誰もいないよ。
組員は私のことなんて気にしないから大丈夫」

「……そういうことね」


はじめは迷惑そうな顔だったけど、察してくれたらしく困ったような笑顔を見せる。


「本家の敷地内に住んでるんだっけ?そりゃ居ずらいよな。
プライベート全然ねえじゃん」

「自分の部屋あるからプライベートな空間はあるよ。
でも、こういう静かな暮らしは新鮮」

「俺らは野郎2人で楽しくやってっからいつでもおいで。
あ、でも今度はちゃんと永遠のパパに言えよ。さすがにヤクザに追われる人生はごめんだわ」

「お父さんカタギの人にそんなことしないよ。
……でも、ありがと」


素直に感謝の気持ちを伝える。するとなんと桐谷は頭をぽんぽんなでてきた。

え、こんなことする男だっけ。

デリカシーの欠片もない最低野郎だったのに大人になったんだね……。

私はちょっぴり嬉しかった。