狼姫と野獣

「……じゃあ準備しろ」

「はいはーい!冷蔵庫にベーコンとウインナーがある、あと冷凍庫の鶏肉も入れる!?」

「肉類入れすぎだろ」

「豪華でいいじゃん、ミックスベジあったっけ?あ、トマト缶ここに出しとく」

「ったく、こういう時だけ行動早ぇんだから」


桐谷はさっそくキッチンに向かってオムライスに必要な具材を並べていく。

快と桐谷って性格もタイプも真逆だけどほんとに仲がいいんだ。

確かに刹那とも仲良かったな。


「バター?マーガリン?」

「バター」


快がキッチンに入るとバターとマーガリンの箱を持ってスタンバイ。

テキパキ動く桐谷はさながら助手。


「……料理番組見てるみたい」

「手伝わねえと怒られるからさぁ。食うだけなんていいご身分だなって」

「私も手伝った方がいい?」

「いい、永遠は来るな」


近づいたら断固拒否された。

……そんな言い方しなくても。


「快、そんな露骨に嫌がるくせによく連れてきたな」

「違うこいつキッチンに入れたらダメだから」

「なんで?」

「クッキー作るって言って小麦粉ぶちまけてキッチン大惨事になったことがある」


ショックを受けたけど、快の言うエピソードを思い出してその通りだと思った。

実は私、まったく料理ができない。

この前も実家で卵を爆発させてお母さんを困らせた。


「まじ!?意外なんだけど」

「……笑わないでよ」


桐谷は意地悪な顔で笑う。

桐谷に笑われるのはなんか悔しい。