狼姫と野獣

「え、永遠じゃん!は?はぁ?」


ドタバタ走ってきて快を押しのけて目の前にきた桐谷。

うわ、すごい。桐谷って着痩せするタイプなんだ。

見かけによらずいい筋肉。


「力さんは!?」

「おじいちゃんの所に出張板前しに行ったよ」

「なにそれ」

「てか、快が連れてきたってこと!?」


桐谷の興味はいつも力さん。

これは唯が嫉妬するわけだ。変に納得したら快が無理やり私と桐谷の間に入った。


「それ以上詮索したら殴る」

「怖っ、物騒すぎ〜」


桐谷はいつもの調子でおちゃらけて離れていった。

しかし靴を脱いで家に上がった直後、今度はちゃんと服を着て走ってきた。


「詮索しねえからメシ作って!オムライス!」

「ガキかよ……」

「ねえおねがーい?永遠も快が作ったメシ食いたいよな?」


あざとく首をかしげる仕草に倖真を思い出す。

桐谷も自分の魅力しっかり分かってるんだね。

刹那みたいにちゃっかりしててずるいタイプだ。


「うん、まだご飯食べてないからお腹空いた」

「だってさ、オムライス作ってー!」


快は長いため息をつきながらリビングに入る。