「それで、相談って?」
「あの……そろそろお兄ちゃん誕生日だからプレゼントしたいなって。永遠一緒に考えてくれる?」
「ああ、そういうことね。もちろんいいよ」
なぁんだ、倖真愛されてるじゃん。
そばで聞いてた刹那は「ははーん、そういうこと」と探偵みたいな口調で笑う。
それから残ったクッキーのお皿を持って倖真が座るソファに向かう。
「倖真ちゃーん、機嫌直しな?」と通話の終わった後に近づいたその瞬間、刹那は怒った倖真にスネを蹴られた。
「いてぇ……フフッ」
「ねえ、さっきから刹那笑いすぎじゃない?」
「ごめんって!てか王子様の仮面外れてるからつけ直したほうがいいよ」
「ここ、俺の家だから演じなくてもいいんだよ」
「八つ当たりやめろって〜!」
完全な八つ当たりの餌食になった刹那は痛そうな関節技をかけられていた。
可哀想だけどふふっと吹き出したら、同じタイミングで涼風ちゃんも笑う。
手入れされた綺麗な黒髪。血色のいい色白の肌。屈託のない笑顔。
その時ふと私の中で何かがパチンと弾けて、快の妹の晴ちゃんを思い出した。
……ああ、もうそんな季節か。
快の家族が亡くなったあの日が近づいてくることを感じて、不意に笑えなくなった。
「あの……そろそろお兄ちゃん誕生日だからプレゼントしたいなって。永遠一緒に考えてくれる?」
「ああ、そういうことね。もちろんいいよ」
なぁんだ、倖真愛されてるじゃん。
そばで聞いてた刹那は「ははーん、そういうこと」と探偵みたいな口調で笑う。
それから残ったクッキーのお皿を持って倖真が座るソファに向かう。
「倖真ちゃーん、機嫌直しな?」と通話の終わった後に近づいたその瞬間、刹那は怒った倖真にスネを蹴られた。
「いてぇ……フフッ」
「ねえ、さっきから刹那笑いすぎじゃない?」
「ごめんって!てか王子様の仮面外れてるからつけ直したほうがいいよ」
「ここ、俺の家だから演じなくてもいいんだよ」
「八つ当たりやめろって〜!」
完全な八つ当たりの餌食になった刹那は痛そうな関節技をかけられていた。
可哀想だけどふふっと吹き出したら、同じタイミングで涼風ちゃんも笑う。
手入れされた綺麗な黒髪。血色のいい色白の肌。屈託のない笑顔。
その時ふと私の中で何かがパチンと弾けて、快の妹の晴ちゃんを思い出した。
……ああ、もうそんな季節か。
快の家族が亡くなったあの日が近づいてくることを感じて、不意に笑えなくなった。