クール王子の素顔

「ゆお先輩、まって」


手首を捕まえられて、歩いていた足が止まる。


「先輩…って、言った?」


「え、はい、??」


「ずっと、先輩だと思ってた、大人っぽいし。」


だって高身長で、同じクラスの男の子とかみたいに騒いでるイメージがない。


会ったばっかりだけど、さっきの甘い香りといい、見た目も、なんだか余裕がある。
「あはは、それめっちゃうれしいっす。可愛いですね。」


「お世辞うまいんだね。じゃあもう行ってもいい?」


そういって捕まえられている手首を振り払おうとしたが、しっかりと握られていてはなれない。


「やです。連絡先教えてください。」


「教えたら離してくれる?」


「はい」


なんていうから、仕方なくスマホを取り出して連絡先を交換する。


なんで、私の連絡先なんか交換するんだろう。


「ほんとに、かわいいですね、それにしても」


またそういうことを言う、こうやって女の子を落としてるのかな。


「そんなこと言われたって、嘘ってすぐわかるもん」


そういうと丸い目をして伊緒くんは口を開いた。


「何言ってんすか、1年の間でもすっげえ人気、ぐわっ」


喋り途中なのに恵ちゃんと佐紀ちゃんが伊緒くんの口をふさいだ。


「それは絶対ダメ!無自覚の国宝を傷つけないで!!」


「イケメンの顔に、触れてごめんーーー、佐紀手洗えないーーー」


??どういうことだろう、二人とも変なの。佐紀ちゃんはいつもだけど。


「先輩、また連絡します」


そういうと、なんだか納得したような伊緒くんはその場から去っていった。


「すっごいね!!」


佐紀ちゃんはすっごくニヤニヤした顔で話しかけてきた。


「何がすごいの?」


「でも、私クールって聞いてたからゆおへの対応が予想外すぎた。」


恵ちゃんまで、そういうことを言っている。


よくわからないけど、クールには確かに見えなかった。