無表情なままの桜を見て、親戚が宥めるように言うが桜の心には何も響かない。むしろ、自分は捨てられてしまったんだという気持ちが大きくなり、ますます死にたくなった。

呼び鈴を桜が仕方なく押すと、親戚はそそくさと帰っていってしまう。俯く桜の目の前でドアが開き、メガネをかけた男性にしては低めの身長の人が出てくる。

「君が桜ちゃんだね。入って入って〜!」

男性にニコリと微笑まれ、桜は恐る恐るシェアハウスの中へと入る。そのまま男性に案内され、桜は広々としておしゃれな家具が置かれたリビングに案内された。

リビングでは、残りの六人が話したり好きなことをしたりして自由に過ごしている。そんな六人は男性と桜を見て「あっ、来た!」と笑った。

「はい、今日からこのシェアハウスの新たなメンバーとなる桜ちゃんです!仲良くしてあげてね。あと、今から自己紹介しよう。僕は優(ゆう)。二十二歳。好きなものは料理とドラマ鑑賞!よろしくね〜」