「……足は」

「……大丈夫だよ」

「……そうか」


会話終了。
ほら、気まずい。

廉に気まずいなんて思ったことなかったけど、最近じゃこの気まずい空気が当たり前になりつつある。


わたしが廉に対して変な態度をとったせいなのはある。

だけど、もうわけわかんなくて、くるしくて、ぐちゃぐちゃで。
そんなの、普通になんてできない。



ここ最近、廉のことばかり考えていて、廉で頭がいっぱいなんだ。


変な態度をとっていたことは謝ったけど、まだ顔を見ることができない。

心臓が意味わかんないほど、ドキドキしている。



「胡桃」

「ん?」

「こっち向けよ」

「…………」


やだな。

廉、おかしいもん。

昨日だって、なんかすっごく優しかった。


わたしが転んだ瞬間にはすでに目の前にいた。

ずっとわたしを見ていたかのように、転ぶのがわかっていたかのように。


廉ばかり、わたしのことわかってる気がする。

わたしは廉がわからなくなっているのに。