何があっても変わらないもの、が、世界の一割だけ存在するって信じてる。

信じてる。

そんなものはないんだろうけどさ。

でもそれほどあやふやで、言語化できない何かを信じるようになったのは、ここ最近のことで。

言ってしまえば何なのか、私はまだ理解の域に到達してない。

ただ純粋に、信じたいって思っているだけなのかもしれない。

その不変の何かを私に見せようとする……あのひとが、すきもきらいも面倒臭いも超えた境地に突っ立っているから。

って責任転嫁をして。信じてる、裏を見たがって信じてない私を知られたくなかった、筈で。

そうとは知らないままの空気が、私とあのひとを通り抜けていくつめたさで吹いていった。

今日も……、きみは盲目的。



奈侑(なゆ)ちゃん、奈侑ちゃん。なあに読んでんの、こっち見ろよ」

「あの、うるさい、黙って」

「奈侑ちゃんが俺に構えば済む話じゃない? ね、」



横暴な物言い。綿帽子みたいにほわほわした声色、ときどき投げ入れられる命令形。いつものアイドルスマイルはどこに落としてきたのかと、私は今すぐ問いたいです。