壁に掛けてあるカレンダーをじっと見つめる。
今年も残り約3か月。


浩くんとけじめつけるのも年内にしようかな。


悪魔の話だと、4月には会社を辞めてこの部屋も出なければならない。


そして誕生日が過ぎたら誰かと籍を入れる。
だから年を越すと私も忙しくなる。


浩くんと過ごした1カ月は幸せだった。
話す機会が増えた、たったそれだけ。
恋人らしいことなんてほとんどしていないのに。
それが後3カ月も残っている。
それで十分幸せじゃないか。


こんなに早く離れる決断をできたことに自分で驚く。


今日の話を盗み聞きしなければ、悪魔との約束の日までズルズルと決断せずにいたかもしれない。


これは私にとっても浩くんにとってもいいことだ。
私の我儘から解放されて、好きな人といれる。


自分にそう言い聞かせる。
頭では理解していても感情が追い付かない。


頬を伝う涙を止めることはできなかった。