「ちゃんと話せるようにするから、大丈夫だよ。」


「それは残念。もしかして僕とキスするの、嫌だった?」


顔を覗き込むようにして言う宮くんに言葉が詰まる。


再び顔が真っ赤になる、さっきよりも。
直視できなくて視線が泳ぐ。


「ゴメン、ゴメン、からかいすぎた。」


そいうと私の前からいなくなった。


もう、ヤバイ。
なんて言っていいか分からないけどヤバイ。


頭はショート寸前だ。
机の上に突っ伏して顔が落ち着くのを待つ。
私、これから大丈夫かな。


「潤、帰ろっか。」


優しく肩をたたいて降ってくる浩くんの声。


「うん。今日はいろいろありがとうご……ありがとう。」


「また、敬語にしようとしたでしょ。」


「でも、いまのはセーフ。」


「まあね。」