「約束の話、つまりはミズキさんに婚約者がいればいいってことですよね。」


話を進め始めたのは宮くんだった。


「そういうことになりますね。」


簡単に言うけれどそれが出来ないんだよね。


一時的にいたって、いなくなった所でまた悪魔に連れ戻されるに決まっている。


「僕のこと、婚約者ってことにしてくださいよ。」




……え⁉




想定外の言葉に戸惑いが隠せない。



なんてことを言っているのだろう。


「それはだめです。最終的には結婚しないと連れ戻されますし。」


「でもミズキさんが相手を探す時間ができますよ。」


「今日まで見つからなかったからそう簡単にはいかないですよ。」


未だに縁がないってことはそれまでなのかな。