ついて行こうとすると、

太一が横にきて話しかけてくれる。

「高木も結城も浴衣着ないの?」

え。

「毎年来てるけど、今日は大人数だし足痛くなって迷惑かけるかもだから着てこなかった!」

嘘ではない答えを返すと、

「見たかったのに」

って返されてドギマギする。

そういえばと、さっきチカくんが合流した方に視線を向けると、

浴衣姿の美波さん。

っ!び、美人すぎ!

綺麗だなぁ。

…今日やっぱり来てくればよかったかな。

チカくんの今年の浴衣花火、

美波さんに先越されちゃったなぁ。

「…美波さん気になんの?」

太一の言葉に慌てて意識を戻す。

「ちょっとだけ!」

「気にしなくても千景先輩、結城しか興味ないよ。」

太一の励ましに笑ってお礼を言う。

「だといいな!ありがとう!」

太一は何食べるの?

なんて話を変えて歩き出す。