大臣の耳にひとたびくっ付いたなら、きっとその時は……わわわっ! 想像しただけで、全身がむず痒くなった。
「まぁ。ノミが住処とするのは野良猫などの野生動物ではありませんの? 毎日きちんとお湯に浸かっている我ら獣人の耳や尻尾にも、住み着くのですか?」
私が怒り任せに呟くと、聞き付けたサリーが不思議そうに首を傾げた。
「もちろん、きちんと洗ってさえいれば住み着くなんていう事態にはならない。だけど、虎耳が濡れるのを嫌がる者は案外多い。髪と外耳は洗っても、耳の内側までは洗わないとかね」
「なるほど! 間違いなくあのボソボソの耳は洗っておりませんわね!」
サリーは合点がいった様子で頷く。
そうしてニンマリとした笑みを浮かべ、口内で何事か呟いた。
「……ヴィヴィアン様のお心を傷つけた罪はとてつもなく重いですわ、覚悟してらっしゃい」
聞かせる意図のない小さ声は口内でくぐもって、その内容は分からない。
その呟きの直後、背筋にゾクリと寒けが走った。……なんだ?
「まぁ。ノミが住処とするのは野良猫などの野生動物ではありませんの? 毎日きちんとお湯に浸かっている我ら獣人の耳や尻尾にも、住み着くのですか?」
私が怒り任せに呟くと、聞き付けたサリーが不思議そうに首を傾げた。
「もちろん、きちんと洗ってさえいれば住み着くなんていう事態にはならない。だけど、虎耳が濡れるのを嫌がる者は案外多い。髪と外耳は洗っても、耳の内側までは洗わないとかね」
「なるほど! 間違いなくあのボソボソの耳は洗っておりませんわね!」
サリーは合点がいった様子で頷く。
そうしてニンマリとした笑みを浮かべ、口内で何事か呟いた。
「……ヴィヴィアン様のお心を傷つけた罪はとてつもなく重いですわ、覚悟してらっしゃい」
聞かせる意図のない小さ声は口内でくぐもって、その内容は分からない。
その呟きの直後、背筋にゾクリと寒けが走った。……なんだ?



