……うわぁっ! モッフモフの虎耳だっ! 目の前の少年はカールした栗色の髪から、昨今では珍しい大きくて立派な耳を生やしていた。真っ白な毛に覆われたまあるい耳は見るからに柔らかそうで、さらに時々可愛らしくピクピクと小さく動く。
垂涎ものの極上ケモ耳に目はすっかり釘付けになり、私は前かがみの不自然な体勢のまま岩のごとく固まる。
しかもだよ? 少年のお尻の下では、耳とお揃いのふわふわとした毛に覆われた虎柄尻尾がパッタンパッタンと揺れているのだから、もう堪らない。
これは、可愛さの凶器だ――!!
「っ……」
少年が小さく息を詰めるのを耳にして、ハッと我に返る。
「すまない、大丈夫かい!?」
この馬鹿っ! なに上の空で歩いていたいけな少年を転ばせて、その上心を宇宙に飛ばしちゃってんの!?
脳内で己を罵倒しつつ、咄嗟に両手を伸ばして少年を抱き上げた。
体重は体感的に三十三キロくらいだろうと想像がついた。正直、この程度なら横抱きも余裕だ。
「どこか痛むのかい!?」
垂涎ものの極上ケモ耳に目はすっかり釘付けになり、私は前かがみの不自然な体勢のまま岩のごとく固まる。
しかもだよ? 少年のお尻の下では、耳とお揃いのふわふわとした毛に覆われた虎柄尻尾がパッタンパッタンと揺れているのだから、もう堪らない。
これは、可愛さの凶器だ――!!
「っ……」
少年が小さく息を詰めるのを耳にして、ハッと我に返る。
「すまない、大丈夫かい!?」
この馬鹿っ! なに上の空で歩いていたいけな少年を転ばせて、その上心を宇宙に飛ばしちゃってんの!?
脳内で己を罵倒しつつ、咄嗟に両手を伸ばして少年を抱き上げた。
体重は体感的に三十三キロくらいだろうと想像がついた。正直、この程度なら横抱きも余裕だ。
「どこか痛むのかい!?」



