俺は逃げていった侍従らを追うことはせず、ヴィヴィアンの元に歩み寄り、彼の右肩から身の丈を超す鎧を取り上げる。ふた揃いの鎧は俺の腕にズッシリとした重みを伝えた。
「重いな……」
「え!? マクシミリアン様っ!」
鎧を取り上げて俺が呟くのと、ヴィヴィアンが驚きに目を丸くして俺を見上げるのは同時だった。どうやら嵩張る荷物の死角になって、俺の存在に気がついていなかったようだ。
それにしても、その細い腕と腰でよくこれだけの重さの荷物を抱えて歩けたものだ。
「っ、いけません! 重いですから、僕が運びます! お返しください!」
……重そうだから持ってやったと言うのに、こいつは重いから返せと言う。
「お前は時々、面白いことを言うな」
「え!? いったい僕のなにが面白いと言うんですか? 僕はいつだって真面目です!」
俺が鎧を抱えたまま大股で歩きだせば、ぷぅっと頬を膨らませたヴィヴィアンが俺の後をちょこまかと追ってくる。その様子はどことなく親の後を追いかける幼い小動物を連想させた。
「重いな……」
「え!? マクシミリアン様っ!」
鎧を取り上げて俺が呟くのと、ヴィヴィアンが驚きに目を丸くして俺を見上げるのは同時だった。どうやら嵩張る荷物の死角になって、俺の存在に気がついていなかったようだ。
それにしても、その細い腕と腰でよくこれだけの重さの荷物を抱えて歩けたものだ。
「っ、いけません! 重いですから、僕が運びます! お返しください!」
……重そうだから持ってやったと言うのに、こいつは重いから返せと言う。
「お前は時々、面白いことを言うな」
「え!? いったい僕のなにが面白いと言うんですか? 僕はいつだって真面目です!」
俺が鎧を抱えたまま大股で歩きだせば、ぷぅっと頬を膨らませたヴィヴィアンが俺の後をちょこまかと追ってくる。その様子はどことなく親の後を追いかける幼い小動物を連想させた。



