しかしこの決着が、ハミルにも少なからぬ影響を及ぼすことは必至。それだけが唯一、俺の胸に重たく影を落としていた。
「体調の方は大事ないか?」
俺の第一声に何故かハミルはクシャリと顔を歪めた。
「この状況でも、兄様は一番最初に僕を思いやる言葉をかけてくれるんだね。……だけど兄様、僕はもう卒業するんだ」
「どういう意味だ?」
「言葉通りだよ。なにも知らないまま、兄様に気づかわれて守られてばかりなのはもう嫌なんだ。僕は無知で無力な子供を卒業して、これからは自分で考えて行動するんだ」
「兄が弟を気づかい、守るのは当然だ。なにより、まだ十歳のお前が親兄弟の庇護下にあるのは当たり前のこと。気負う必要はない、時が来れば嫌でも大人にならなければならない」
ハミルは俺の言葉にジッと耳を傾けていた。その目には悲愴なまでの決意が滲んでいるように感じた。
「体調の方は大事ないか?」
俺の第一声に何故かハミルはクシャリと顔を歪めた。
「この状況でも、兄様は一番最初に僕を思いやる言葉をかけてくれるんだね。……だけど兄様、僕はもう卒業するんだ」
「どういう意味だ?」
「言葉通りだよ。なにも知らないまま、兄様に気づかわれて守られてばかりなのはもう嫌なんだ。僕は無知で無力な子供を卒業して、これからは自分で考えて行動するんだ」
「兄が弟を気づかい、守るのは当然だ。なにより、まだ十歳のお前が親兄弟の庇護下にあるのは当たり前のこと。気負う必要はない、時が来れば嫌でも大人にならなければならない」
ハミルは俺の言葉にジッと耳を傾けていた。その目には悲愴なまでの決意が滲んでいるように感じた。



