ともすれば叫び出しそうになるのを、なんとか理性を寄せ集め、拳を握り締めて堪える。真正面からそれらをぶつけては己の状況を、しいてはマクシミリアン様の状況を一層厳しくするだけだと、必死に自分に言い聞かせた。
「あなたはガブリエル陛下のお気に入りになって、愛息ハミルの治世も安泰。ね? こんなに素敵なことってないでしょう?」
内心は怒りの炎が燃え滾り、ぶつけたい思いも、言ってやりたいことも山ほどあった。
だけど私が声高に叫んだのは、一番大きな疑問だった。
「待ってください。最初にあなたは『願うのは、愛しい我が子の安寧の治世だけ』とおっしゃっていましたよね!? マクシミリアン様だって、あなたがお腹を痛めて産んだ我が子ではないのですか!」
「お黙り! 小娘になにがわかるというの? 私の息子はハミルただひとり。無様な『耳なし』が我が子だなどと思ったこともない!」
「っ!」
私の発した言葉が皇太后様の逆鱗に触れた。彼女は常軌を逸した様子で、ワシャワシャと頭を掻きむしる。
「あなたはガブリエル陛下のお気に入りになって、愛息ハミルの治世も安泰。ね? こんなに素敵なことってないでしょう?」
内心は怒りの炎が燃え滾り、ぶつけたい思いも、言ってやりたいことも山ほどあった。
だけど私が声高に叫んだのは、一番大きな疑問だった。
「待ってください。最初にあなたは『願うのは、愛しい我が子の安寧の治世だけ』とおっしゃっていましたよね!? マクシミリアン様だって、あなたがお腹を痛めて産んだ我が子ではないのですか!」
「お黙り! 小娘になにがわかるというの? 私の息子はハミルただひとり。無様な『耳なし』が我が子だなどと思ったこともない!」
「っ!」
私の発した言葉が皇太后様の逆鱗に触れた。彼女は常軌を逸した様子で、ワシャワシャと頭を掻きむしる。



