ここ離宮はヴィットティール帝国南岸のコスタ領にある。この地は、我が国において唯一外海に面した港町としての顔も持っていた。
「前に、家族が事業を成功させていると少しだけ話しただろう? 僕の姉が物流配送の事業を展開していて、鮮魚も取り扱っているんだ。漁港に姉の『鮮魚センター』がある。そこに報せをやれば、必ず姉がマクシミリアン様に伝えてくれる」
遠い皇都のマクシミリアン様に直接報せることは困難だ。けれど、三キロほどの距離にある『鮮魚センター』へなら、連絡を取るのも不可能ではないはずだ。
近習として働くために家を出る私に、姉様は『困ったことや入用な物があったら、事業所を訪ねなさい。スタッフには言っておく』と、こう言っていた。
その時は話半分に聞いていたが、まさか『中央通りのオフィス』でなく『コスタ領の鮮魚センター』に助けを求める日が来ようとは。
たぶん姉様は、鮮魚センターのスタッフには話を通していないだろう。けれど姉様の事業に携わるスタッフは皆優秀で親切な人ばかり。きっと助けになってくれるはずだ。
「前に、家族が事業を成功させていると少しだけ話しただろう? 僕の姉が物流配送の事業を展開していて、鮮魚も取り扱っているんだ。漁港に姉の『鮮魚センター』がある。そこに報せをやれば、必ず姉がマクシミリアン様に伝えてくれる」
遠い皇都のマクシミリアン様に直接報せることは困難だ。けれど、三キロほどの距離にある『鮮魚センター』へなら、連絡を取るのも不可能ではないはずだ。
近習として働くために家を出る私に、姉様は『困ったことや入用な物があったら、事業所を訪ねなさい。スタッフには言っておく』と、こう言っていた。
その時は話半分に聞いていたが、まさか『中央通りのオフィス』でなく『コスタ領の鮮魚センター』に助けを求める日が来ようとは。
たぶん姉様は、鮮魚センターのスタッフには話を通していないだろう。けれど姉様の事業に携わるスタッフは皆優秀で親切な人ばかり。きっと助けになってくれるはずだ。



