獣人皇帝は男装令嬢を溺愛する ただの従者のはずですが!

 極上のモコフワ尻尾をにぎにぎ、もふもふ、モフり倒したい欲求で心と体が疼く。鼓動は胸を突き破りそうな勢いで鳴り響き、沸騰するように全身の体温が上がった。
 その時、ふいに『陛下に頼まれて、お父様が尻尾をブラッシングさせていただいたんですって。お父様はよほど陛下に信頼されているのね』と、母がかつて語っていたこんな台詞が脳裏を過ぎった。
 ……そうか! 陛下の信頼を得れば、そんなチャンスも巡ってくるのか!
 ならば私も精一杯お仕えして、マクシミリアン様が信頼するに足る存在になれるように頑張るんだ。そうしてマクシミリアン様から一目も二目も置かれる近習となり、尻尾のブラッシングを頼まれるようになってみせよう――!!
 いまだモコフワの感触が残る拳をギュッと握り込むと、内心で決意を吼えた。
 え? 下心がムンムン滲んでいるぞって?
 ふっ、ふっ、ふっ! ……あの極上モコフワ尻尾がモフれるなら、私は悪魔にだって魂を投げ売れるのだ!
 極上モフモフに再び触れる未来を想像すれば、俄然胸がときめいた。