ガブリエルが続けて語る下品な物言いとヴィヴィアンに向ける下卑た眼差しに、我慢が出来なかった。
言葉尻を遮って語気を荒らげる俺に、陽気だったガブリエルの空気が一瞬で張り詰めたものに変わる。彼の目が険を帯びて細まり、不満げに俺を睨めつけた。
しばし、俺とガブリエルの目線が絡む。
先に視線を逸らしたのはガブリエルだった。
「ざまぁねえぜ。いつのまにか俺たちが、酒の席で軽口も叩き合ねぇ仲になっちまってたとはなぁ」
ガブリエルは杯に残った酒をひと息であおると空を見上げ、特大のため息と共にこぼす。
彼の囁きに一瞬で頭が冷えた。
かつて共に旅をしていた時分、若く血気盛んだった俺たちは酒が入れば、今よりもっと卑猥な話にも花を咲かせていた。しかしそれらは多くを語り合い、笑い合ってきた話題の中のほんの一端にすぎない。俺たちはどんな内容でも腹を割って話ができる、気の置けない間柄だったのだ。
「……すまない、ガブリエル。だが、ひとつだけ釈明させてくれ。俺の中で、お前が気心が知れた大事な友だというのは、今でも一切変わっていない」
言葉尻を遮って語気を荒らげる俺に、陽気だったガブリエルの空気が一瞬で張り詰めたものに変わる。彼の目が険を帯びて細まり、不満げに俺を睨めつけた。
しばし、俺とガブリエルの目線が絡む。
先に視線を逸らしたのはガブリエルだった。
「ざまぁねえぜ。いつのまにか俺たちが、酒の席で軽口も叩き合ねぇ仲になっちまってたとはなぁ」
ガブリエルは杯に残った酒をひと息であおると空を見上げ、特大のため息と共にこぼす。
彼の囁きに一瞬で頭が冷えた。
かつて共に旅をしていた時分、若く血気盛んだった俺たちは酒が入れば、今よりもっと卑猥な話にも花を咲かせていた。しかしそれらは多くを語り合い、笑い合ってきた話題の中のほんの一端にすぎない。俺たちはどんな内容でも腹を割って話ができる、気の置けない間柄だったのだ。
「……すまない、ガブリエル。だが、ひとつだけ釈明させてくれ。俺の中で、お前が気心が知れた大事な友だというのは、今でも一切変わっていない」



