まともに座っていられず椅子から崩れ落ちそうになったのを、横から伸びてきた逞しい腕が支えてくれた。しかし、既に私は満足に目を開けているのが難しい状態で、支えてくれるその人に感謝を伝えることはおろか、その顔を見ることも叶わない。
一枚壁を隔てた向こう側でマクシミリアン様の声が聞こえていたような気もしたが、遠のく意識は僅かに機能していた聴力すら奪っていく。
意識がのみこまれる直前、やわらかいモコフワの毛皮に包み込まれたように感じた。
……これって、マクシミリアン様の尻尾の感触だ。あぁ、モフモフで気持ちいなぁ――。
こんなふうに思ったのが最後。私は抗う術なく温かな腕に身を委ね、完全に意識を手放した。
***
ヴィヴィアンが椅子から転がり落ちる直前に腕に抱き止めた。腕だけでなく尻尾も反射的にヴィヴィアンに向かって伸び、その体に巻き付いていた。
一瞬で酔いは醒めて、彼にきちんと目をかけていなかったことを深く後悔した。
一枚壁を隔てた向こう側でマクシミリアン様の声が聞こえていたような気もしたが、遠のく意識は僅かに機能していた聴力すら奪っていく。
意識がのみこまれる直前、やわらかいモコフワの毛皮に包み込まれたように感じた。
……これって、マクシミリアン様の尻尾の感触だ。あぁ、モフモフで気持ちいなぁ――。
こんなふうに思ったのが最後。私は抗う術なく温かな腕に身を委ね、完全に意識を手放した。
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ヴィヴィアンが椅子から転がり落ちる直前に腕に抱き止めた。腕だけでなく尻尾も反射的にヴィヴィアンに向かって伸び、その体に巻き付いていた。
一瞬で酔いは醒めて、彼にきちんと目をかけていなかったことを深く後悔した。



